その花の名は

私小説日記です

けっ

えーとー。


男のひとに粘着されて怖いのだけど、
なぜ粘着されたかというと、
わたしが何も説明しないで逃げたから。
「夫にばれたから」と言い訳はして、
そのときは大人しく引き下がってくれたけど、
わたしがいま好きな子のことを知って暴れ始めたみたいです。
まあ、気持ちはわからないでもないです。



事務的なメールをして、あとは全部拒否設定にしました。




わたしは自分が男性に好かれる理由をしっています。
めんどうくさくなくて、
相手の形に添って、
その状態でそのひとを褒めたり認めたりするから。
そんな便利な女、いないでしょ。
だからいつでもモテモテです。
別にわたしの魅力じゃなくて、便利さがモテているだけです。


それですごく重宝されます。
言葉でいえば「大事だよ」とか「特別」とか
「もう誰も好きにならないと思ってた」とか
「初めてひとを好きになった」とか
なんかソレっぽいことになりますが。
中身はただ「便利だなー、こいつといると気分いいなー」です。
モテるなんてばっかみてぇ。
いつもモテてる自分もばかばかしい。





便利に使われるのは光栄ですが、
支配しようとされるのは絶対にいやです。
わたしから男のひとに添うのは好きだけれど、
相手から「添ってくれ」と言われるのはイヤです。
自由を奪われるなんてやなこった。
アイシテと言われてアイスルなんてやーよー。


それでイヤになってそっぽむくと、逆上されます。
「お前、俺の便利な女だったはずだろ?」と。
「オレにもっと優しくしてくれるべきだろ?」と。

そんな、束縛しようとする、
依存しようとする、
執着しようとするひとと、話しをするのもイヤなのです。
それで、
束縛したり依存したりするのは、
レンアイにおいて、ふつーのことなんだよね。
ただ、わたしがそれがイヤでイヤでたまらないだけで。



夫も、
その粘着してくるひとも、おなじ。




愛情を強要してくる相手に対して、
対面することができないのです。
イヤになって逃げちゃう。
「イヤよ」って言えないで逃げちゃう。
だからもっと執着される。

ちゃんと説明しなくちゃ、だめなのね。
よおくわかった。


あと、もうモテないようにする。
もうやだ。
前に仲良しの子に
「出会う異性全てが自分を好きになると思っておけ」と
言われたけど、
そのくらい自意識過剰になっておく。
「ゆり子さんだから」じゃない、
誰だっていいんだから、優しくしてくれる女だったら。

じこのてんまつ

近況報告をかねて、もいっこ。

石垣島についてレンタカーをかりにいったのね。
わたし、教習車と自分ちの車以外のくるま、
はじめてだから、すごく緊張してたのね。

ヒールの高いサンダルはいてて、
これじゃ絶対まずい、絶対踏み間違えると思いつつ、
なんか「そんなに説明しなくてもだいじょうぶですよね〜」って感じの
店員さんの空気に釣られてそのまま車に乗り込んじゃった。

「わ、サイドブレーキ!!どうやるんだっけ?」って言ったら
隣にいたおしょん(夫)が
「・・・・・ハァ?マジかよ?」と
すでにキレそうなため息をついた、それだけで
わたしは恐怖しか感じなくなっちゃって、
店員さんの説明もまわりのことも聞こえないし見えなくて、
何をどうすればいいのか全くわからなくなって、
きづいたら前をゆっくり走ってたバスにつっこんでた。
おしょんが
「バカ!おまえなにやってんだよ!!!」と大声で言うのが聞えて、
見てみるとおしょんの左足がドアに挟まれてる。
左隣の車にもぶつかってる、から、おしょんはドアと車に挟まれて動けない。



バスから若い女性と小さな子が降りるのが見える。
店員さんが「だいじょうぶですか?」ってきいてて、
「だいじょうぶです〜」って笑ってるのがみえる。



わたしも子どもも店員さんに促されて外にでて、
わたしはずーっと夫に「大丈夫?」って言い続けてて、
店員さんが車を動かしてくれて、
おしょんの体が自由になって、
そしたらわたしに近づいてきて、
なんか怒鳴りながら頬を平手打ちされた。
めがねがぽーんと飛んで、アスファルトで跳ねた。

もっとボコボコに殴ればいいのにとおもった。




とにかく、結果的に誰も怪我せず、
レンタカー会社の車なので弁償金もなく。
悪運がつよかった
(なんて書いてるけど、とてもとても反省してます。
 かりた車の片側べこべこ、左側の車も前のほうボコボコ、
 バスのまんなか、べろってめくれてた。
 ほんとうに、ほんとうに、誰も怪我しなくて、死ななくて、
 よかった。よかった。ほんとによかった)。



おしょんがいっぱい怒鳴って、怒鳴って、怒鳴って、
当たり前だけど。
「レンタカーは止めだ!!」って言われたから急いでクスリ飲んだ。



事故のことはともかく、
皆の前で打たれてよかった。
なんかサッパリした。
離婚、しよう。


だいたい、夫の一言で脅えてバスにつっこむなんて、
そこがまず異常だよね。
ふつうだったらそんなことにならないよね。
自分を被害者設定してるんじゃなくて、
駄目だよね、このままじゃ。



わたし、この時のために何年も潜伏して準備してきたんだ。
離婚するために浮気もした、
依存してくる男は捨てた、
一年引きこもりもした、
依存症のことも勉強した、病院にも通った、
資格をとって免許とって働きはじめて、
あとすこし。

あとすこしだから、
すこし加速して、
最後まで自分の納得いくようにやり遂げたい。
ずっとずっとずっと思い描いた、わたしの夢、わたしのかくめい。


夫と別れることを思うと、
やっぱりたのしい。
たのしいよ。
すごくたのしい!!
・・・そして運転は、もっときをつけよう・・・。

シャコンヌに傷口を舐められる話

石垣島にいってきました。
おしょん(夫)が行きたいっていうから行きました。



行く前に、
すきな子から
「今の状況もあなた自身もおかしいから今すぐ打破しろ」と言われたのでした。
たぶん、わたしの周囲のひとは皆多かれ少なかれ思っていることなのだとおもいます。
でも、言わないで見守ってくれてるのだとおもいます。
見ててくれるひとたち、ほんとうにいつもアリガト。
あえて言葉にしてくれた子も、アリガト。



すきな子はなー、
勤務中のわたし(公)と、ふたりでいるときのわたし(私)と、
文章でのわたしを知っているので
見ていて困るだろうなあ。
わたしは自分ではオカシクないと思っているけど、
オカシイひとは自分をオカシイと思わないよね、と
素直にききました。
何度も何度も
「自分の感情を全部出していい」と言われて、
それも素直に受け止めたです。
スナオだけがとりえ。



それで、沖縄旅行は
「自分の感情を確認する旅」にしてみたのー。
「自分探しの旅」って言ってもいい?だめ?キャー♡



石垣島ね、綺麗だったです。
海は信じられないくらい青く透明で美しく、
空をわたる風はここちよくて、
こ綺麗なプチホテルに親切な従業員さん、
おいしいごはん、
子どもたちの笑う声と輝く顔、喜びでいっぱいの手足。



ボートで沖に出てシュノーケリングして見たサンゴや魚、
ホテルのテラスでのんびり海を見て飲む珈琲、
海遊びで疲れたあとの、沖縄そばのお出汁が身体に染み込む一瞬、
夜の海にうつる月。




なにも楽しくなかったです。
ほんとはどうでもいい
(子どもの笑顔だけは嬉しい)。




沖縄にいこうと、家に帰ろうと、なんでもいい。
というより、早く仕事しにいきたい。
仕事中は子どもは学校や保育園で安全だし、
絶対に夫に会わないから。
なんにもイヤなことないから。



わたしは夫といるとき、
なにも感じてない。
「楽しい」「嬉しい」「良かった」だけを掬い取って
感じるように、
自分で自分を徹底的に躾けているだけ。
「悲しい」「苦しい」は
チラっと見るだけ。


たまに泣くけど、
ほとんど感情はついてこない。
目にバイキンが入ったから出るみたいに
ただ液体が流れるだけ。
顔が能面みたいなのを、自分でも感じる。



ほんとね。ちょっとまずいわね。
今の生活で過ごしやすいよう、
自分で自分をぎっちりコントロールしすぎてる。


夫と離れない限り、
わたしはいつどこで何をしていても
恐怖しか感じることはないんだろうな。
嬉しかったり楽しかったりするときも
ほんとうは怖くて、
その怖さを見るのが怖いから
必死になって「良かった探し」してるだけ。


帰りの飛行機、機内オーディオサービスで
シャコンヌがかかってたのです。
聴きたいのに子どもの相手できけなくて、
番組が一巡するまでじっと待ってた。

『皇帝』やらドヴォルザークやらを経由して
やっとたどり着いたシャコンヌ



呼吸ができる。
息がすえる。
ヴァイオリンがわたしの感情をかきむしってくれて、
ささくれの皮が一気にめくれて、
はじめて生きているのを感じる。
あー。
ああああー。
固く凍った血がゆるゆると溶けて、
身体にゆっくりと流れ出す。


こんな激しい音をきかないとわたしは生きることができないのか。
そりゃ重症ですね。

ハイフェッツシャコンヌに救われる。
沖縄旅行、辛かったです。
夫と一緒にいるのは、辛いです。


黒目三十九滝心中未遂デート

男の子が森のなかに連れてってくれた。
もうずーっと、山のなかで滝が流れてるようなとこに行きたくて、
なかなか行けなかったから
緑と木漏れ日のなかを車で走るだけで
ゆめみたいにうれしい。
コトバが出てこないのはうれしいとき。ぼーっとしてしまう。


ぼーっとしにきたのに、
男の子が触ってくれるのでついあんあんになって
情事にもつれこむ。
野外情事は体勢がなかなかむずかしい。
山の斜面、ゆるい土を踏みしめてバランスをとりながらの性交。
だんだん理性が溶けていって、
気が付くと青空と木々の梢がみえる。

葉っぱが空にまじって揺れて、苔の匂いがして、
わたし、仰向けに倒れたんだね。
そうか、だからこんなに入りやすい。きもちいい。
あー、やけつくようなたいよう、
あー、わたしはあなたをみあげた〜♪
一瞬歌って、あとはまた男のひとが送る波にのまれる。


お互いセックスなんかしなくてもいいんだけど、
でも会うとする。
次にしたらもっと気持ちよくなるってわかってる。
わたしの未熟なカラダが男のひとのかたちになっていく。
穴がカタチを記憶して穴が男のひとを待ちのぞむ。
わたしは自分の身体に抗えない。
どんどんオンナになっていってしまう。
好きと言い続けて、
言えばいうほど穴がおとこのひとを抱きしめて、
あんな小さな穴の、あんな箇所があんなふうにうねって
こんな箇所が突かれてうれしくて泣いて、
みるみるうちにわたしはオンナだ。
女になればいいじゃん、とおとこのひとは言うはずだ。




あなたのそのくちびる、
あなたの黒いその髪、
あなたの長いその指、
歌が流れては消えていく。


いちばん欲しいものは肌だ。
肌はたましいでできているのだとおもう。
ひとはいちばん一番柔らかい部分を露出しているのだとおもう。



ただ抱擁しているとき、
わたしは死んでいるようだ。ぐにゃりと力がはいらない。
なにも考えられない。
きもちよすぎて、わたしはいつも涎をこぼす。


生きている間、ずっと生きているのは辛すぎる。
だからひとは眠り、セックスし、小さな死で休憩する。
休憩してまた生まれる。
眠りより、セックスより、
肌をあわせて40間近の疲れた男女は休憩する。
「会う」はちいさな心中だ。
生きるための休憩時間。
ラブホテルの駐車場でご休憩。男女の情事はひどく滑稽だ。
いいね、たのしいな。愉快だな。
また次に会えたらどうしよう。うれしすぎる。




39歳のわたしは目の黒いまま心中する。
黒目三十九滝心中未遂。


ほんとの赤目四十八瀧、いつか行ってみたいなあ。
もちろんコレもだいすき。

赤目四十八瀧心中未遂赤目四十八瀧心中未遂
(2001/02)
車谷 長吉

商品詳細を見る




曲名は「セシルカットブルース」だけど、
歌詞カードに手書きで「Cecile Got Blues」ってかいてあるのよね。



おんなのこソング

おくすりがきくまで遊ぶー。

わたしのダイスキな一曲。あーくだらな〜い。



時東ぁみの完成度の高さ、何度みても感心します。
ダンスも表情も、顔の造作もスタイルもすっごい高いのに
ただのシロートブスのギャル曽根のほうが
かわいく見える不思議。




次。



これはもー。
友川かずきの曲をちあきなおみが唄って、
しかも紅白!
もー、もー。もーーーーー!!





わたしのオールタイムベストに必ずはいる曲。







キャー!!「これがそうなのね仔猫ちゃん」
ゆーちゅーぶに上がってた!!うれちーーー!!
(オーガズムを感じてうれしはずかし、って曲ね)




でも、こっちのが魅力全開。



イリア様は永遠の憧れです。
この色気、この愛嬌、この話声、
そしてレスポールを弾く女の子〜!!!
あーーーーこんな目つきするオンナになってみたい!!
イリア様のギターになって足のあいだにはさまれたい!!!



だいすきな曲をだいすきな歌手がうたってくれて、しやわせ。


遊んでたら気分よくなってきた。ねるう!

こいねがう

抱きしめて、って言うことって恥ずかしいことだと思ってた。



こんな自分が、そんな可愛らしい、女の子みたいなこと言うなんて、



望むなんて、そんなの恥ずかしいと思ってたの。



言わないし望まないようにしてるけど、



ほんとは強く強く欲してる自分がイヤで仕方なかった。





でも違うみたい。



抱きしめて、って言うことは、望むことは



同時に相手を抱きしめることなんだもんね。



このカヨワイカワイイアタシを抱きしめて、じゃなくて



あなたが好き、あなたに触れたい、あなたを感じたい、



わたしにはあなたが必要なのです、好きだから、



という自分からの抱擁なんだなあー。



それが一方通行の被害妄想にならないためには、



お互い大人であることが必要不可欠だけど。



気持ちが通い合っているのならば、



「必要です」と言われて嫌がるひとがどこにいるだろう?







触れるということは相手を感じることと自分を感じることが



混ざり合ってる。



好きなひとがいたら求めずにいられないもの。



好きだとおもう、相手を希う心は自分を求める心でもあるのですね。




あーあ、抱きしめたいし、抱きしめられたい。



そのためにあなたに首があって、わたしには2本の腕があるんだもの。



********************

註:一年前の自分、いいこと言ってるな。

愚痴についての忘備録

メモ。
いま、「愚痴ってなあに?」ってハナシになってね。

「愚痴は不特定多数に言うものじゃない。個人的に(ゆり子さんには)言うけど」


なるほど。
精神的パーソナルスペースが近いひとに言うのが愚痴。
余計な気を使わず、ほんとうのきもちを言うことが愚痴。



わたし、いっつもおもってた。
なんで愚痴言ったらいけないの?



「愚痴」



って、このコトバが悪いんだとおもー。
すっごい字面だし。
耳からのオンも汚いし。

愚痴って「大事なひとにだけ聞いてほしいこと」だよねえ。


わたし、「愚痴ってごめんね」って言われるとかなしくなる。
いっぱい言えばいいのにっておもう。
いいことだとおもうんだけどなー。
わたしだって言いたいし、
だいじなひとから言われたら、余計にだいじな気持ちがふえるのになー。




愚痴にかわるコトバってないのかな。





以上、メモおわり。